水遣り‐Ⅰの方でも述べましたが
観葉植物に限らず鉢植えの植物の水遣りには
鉄則があります。
ほとんどの種類のものは水遣りの量は鉢穴から流れるまでたっぷりと与えなくてはいけません。
それは何故か?
ただこういう風に説明されたからこうしてる
というよりも 何故それをそうやっているのか?
という理由を知っている方が納得して
水遣りをやっていただけると思いますので
今回はそちらのご説明をしていきます。
何故、鉢穴から流れるまでたっぷりと水を与えなくてはいけないのか?
答えは土壌中、つまり土の仕組みにあるのです。
土はひとつひとつの粒子で出来ており、たくさんの土の粒が集まって‘土’となっているわけなのですが(団粒構造といいます)
その土の粒と粒の間に空気を含んでいます。この空気が植物にとって重要なのです!
植物の根っこというのはほとんどの場合は土壌、つまりは土の中に存在していますよね。
実は植物は根っこで呼吸をしております。
もちろん葉からも空気を取り込んで、光合成によって酸素を作り出し
夜間は葉からの呼吸で酸素を取り込み二酸化炭素を吐き出すというサイクル(←小学生の理科で習いましたね)な訳なのですが、この根の呼吸、これが曲者です。
根が呼吸できないと弱ってきますので、土壌中の雑菌に蝕まれ根腐れ菌に感染し枯れてしまったりと
あまり良くないことがおこります。
じゃあどうしたらいいのか?そこで、たっぷり水遣りを行うのです。
水遣りしたら余計根腐れするんじゃ・・?と思われるかもしれませんが
適度なタイミング、つまり鉢土の表面が乾いたタイミングで行えば必要な量だけが鉢内に留まり
余計な水分はすべて鉢穴から排出されますのでたっぷりとやっていただいて結構です。
たっぷりと鉢内に注ぎ込まれた水分は、土と土の間にある古い空気を一気に押し流し
抜けきった後で新鮮な空気を鉢土内にもたらしてくれるのです。
また、この際に根から排出された排出物なども一緒に押し出し、鉢内を清潔に保ってくれます。
なので、鉢内が清潔になれば根腐れもしない、とご理解いただければと思います。
こうして植物の鉢の内部で行われているサイクルを想像しながら水やりするだけで
少し植物と打ち解けてきたように思えませんか?
これが上手に管理するコツ、植物を知ることです!
ちなみに、受け皿に溜まった水は捨ててくださいというセリフ、何度か聞かれたこともあるかと思うのですが
これをこのサイクルを想像して考えてみると何故だめなのかご理解いただけるはず・・。
つまり、鉢内を通って排出された水は根や土の不純物を洗い流した後の雑菌だらけの汚い水・・。
それは人でいうとシャワーで体を洗った後の水を飲むようなものなのです・・・。
こうして考えると、もう受け皿に水を溜めっぱなしにはできませんよね?
かなりの長文になりましたが、植物も生き物、植物の境遇を自分に置き換えて想像してあげると
イメージしやすいかもしれませんね。誰だってお腹いっぱいの時にたくさんの水は飲めませんし、
お風呂に入った後に浴槽の水は飲みたくないですものね。
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